車や運転が好きだったり、新しい仕事を探していたり…ハイヤーの運転手を検討している方にとって、ハイヤー業界の動向や働く環境は気になるところだと思います。
そこで今回は、タクシー業界も一部含めつつ、ハイヤー業界の動向や課題、働く場合の待遇などを徹底解説します。
【タクシー・ハイヤー業界の動向】
近年のタクシー・ハイヤー業界では、どのようなことが起こっているのでしょうか。
4つポイントでご紹介します。
<長年続くドライバー不足>
タクシー・ハイヤー業界では、長年の間ドライバー不足が続いています。ドライバーの高齢化が進み、若手の獲得が進んでいません。
帝国データバンクが2023年11月に発表した最新の情報によると、2023年8月時点で従業員数が判明した2428社の中で、69.7%の企業において、従業員が減少したとされています。都市部よりも、地方の方が従業員数の減少は顕著になっています。20~50%減少した企業が40%弱と最も多く、15%程度の企業では、半分以上の社員が減少しており、ドライバー不足の深刻さが伺えます。
<まだまだ赤字が続く企業は多い>
タクシー・ハイヤー業界はコロナ禍で大打撃をうけた業界の一つです。コロナ禍に入った2020年度には80%以上が赤字に陥っていたことを考えると回復傾向にはあるのですが、2022年度になっても50%近い企業が赤字に苦しんでいる状況です。長年人員不足が問題となっている一方で、コロナ禍においては経営状況の悪化によって人員を削減している企業もあり、人を減らしても赤字から抜け出せていないという状況になっています。
<インバウンドの復活もあり、需要は急増>
コロナ禍が収束を迎え、国内のみならずインバウンドの旅行需要が激増していますし、接待会食やゴルフも増加、要人が集まる会議なども増えてきています。それに伴い、タクシー・ハイヤー業界の需要が急速に高まっているのです。
もともと人手不足の業界である上に、コロナ禍にタクシー・ハイヤー業界を離れてしまった人も多く、需要の急増に対応できていない状況です。主要な観光地では常にタクシーが不足しており、数時間待たなければ利用できないというケースも増えてきています。タクシー・ハイヤー企業としては人員がいれば売り上げを拡大できるという環境になってきているのですが、人が足りずに所有車両を全て稼働させることができていないケースも多いのです。
このように、タクシー・ハイヤー業界ではこれまで以上に、ドライバーの確保が急務となっています。
<タクシー業界で進むDX(デジタルトランスフォーメーション)>
タクシー業界でもDX化が進んでいます。
社内でのキャッシュレス対応は一般的になりましたし、アプリ配車も非常に多くなっています。大手タクシー企業では自社で社員やお客様の声を反映したアプリ開発を行い、どんどんブラッシュアップをしています。
車内にタブレットが搭載されているタクシーも増えています。ナビタイム社が提供しているSDKというサービスでは、利用者が検索したルートを乗務員側でも確認ができ、そのルートを走って目的地までお客様を送り届けることができるのです。お客様は安心して乗車ができますし、乗務員側もストレスが少なく安全運転で運行ができます。事前の検索ルートで渋滞などが発生した場合は、迂回ルートも示してくれるという優れものです。この機能を活用した『見守り』も期待されています。ICタグを持った子供や高齢者が近くにいた場合、そのデータをタクシー側の端末に残すことができるのです。こうしたタクシー業界のDX化は、利用者の生活をより豊かにすることにつながるでしょう。
ハイヤードライバーにとっても、業界全体のDX化が進むことは、プラスになると考えられます。
【ハイヤー業界での働き方・待遇】
ハイヤー業界で働く場合の働き方や待遇についてご紹介します。
また、近年取り組まれている待遇改善の取り組みについてもご紹介します。
<ハイヤー業界のドライバーの仕事>
ハイヤー運転手の仕事は、タクシー運転手と同様にお客様を安全に目的地まで安全にお届けすることです。タクシー運転手と異なるのは、完全予約制であり、送迎時間は厳守であることや、企業の役員や海外のVIPなどのエグゼクティブ層をお客様とすることも多いので、より質の高いホスピタリティや地理的知識等が求められる点です。また、タクシーの予約利用と近しいスポット業務の他に、専任担当として勤務するケースもあります。
ハイヤー業界で働く場合に必須となるのは、タクシー運転手と同じ第二種普通免許です。
企業によっては、第二種普通免許の取得をサポートしてくれるケースもあります。
<ハイヤー業界での働き方>
ハイヤー事業を行っている企業に就職し、契約社員や正社員として働くのが一般的ですが、業務委託として仕事を請け負うケースもあります。ハイヤー専門の企業もありますが、タクシー部門とハイヤー部門の両方を持っている企業の方が多いです。
近年、新卒採用も積極的に行っている企業が増えていますし、中途採用者でも活躍しやすい業界であるといえます。
ドライバー経験がない人が初めからハイヤードライバーとして勤務するのは難しいため、はじめはタクシードライバーからスタートして経験を積むことが多いです。その後、ハイヤーのスポット勤務を経験し、最終的に専任ドライバーという形でキャリアアップしていきます。スポット勤務の際に、知識や運転技術を磨き、質の高い接客を行って多くの指名を獲得することができれば、給与アップや専任ドライバーとしての道が開けるでしょう。
<ハイヤードライバーの年収>
ハイヤードライバーの年収は平均値で500万円程度です。平均年収が300万円程度といわれているタクシー運転手よりも、高い年収が期待できるといえます。経験やスキル、勤務エリアなどの条件によって異なりますので、400万~700万円程度の幅で考えておくと良いでしょう。
社員として働く場合の給与形態は、固定給+歩合制で、専任担当となった場合には、固定給のみの給与形態となることが多いです。大手の企業であれば、ボーナス支給がある場合もあります。
外国人VIPや外国人観光客の増加に伴い、英語が話せるドライバーへの評価が高まっています。語学力を磨くことで、年収アップも期待できます。東京であればTSTiEという東京ハイヤータクシーが認定する乗務員専門の資格もあります。
<ハイヤードライバーのやりがい>
ハイヤードライバーの仕事は、時間厳守で行動しなければならなかったり、質の高い接客サービスが求められたりと、責任やプレッシャーの大きい仕事です。しかし、タクシー運転手よりも安定した高い収入を得ることができる上に、普段はなかなかかかわることのないエグゼクティブ層と接しながら、高級車に乗って送迎を行うということに誇らしさを感じる方もいらっしゃるでしょう。そして何より、専任ドライバーとして勤務すればお客様と信頼関係を築いて行くことができるという、何にも代えがたいやりがいを感じられます。
<タクシー・ハイヤードライバーの待遇改善に向けた動き>
タクシー・ハイヤードライバー不足の大きな要因として、待遇の改善が進まない点があります。需要増加に合わせて料金の値上げに踏み切った企業もあるものの、なかなか給与アップができるほどの業績アップには至っていません。LPガスやガソリンなどの燃油価格も高騰しており、売り上げは上がっても利益率を上げるのが困難な状況となっています。
賃上げが困難となっている中、タクシードライバーを確保するために、歩合制ではない給与形態にすることで、安定した収入を得られるような環境を作っている企業も出てきました。配車アプリを活用することで、いわゆる流し営業をせずに予約営業のような営業体制にすることで、歩合制以外の給与形態を実現しているのです。
女性ドライバーの獲得に力を入れている企業も増加しています。企業内保育所を設置したり、時給制のスポット勤務を導入したりして、女性の働きやすさを実現できるよう努めています。
タクシードライバーの待遇が改善することで、ハイヤードライバーも目指しやすくなると考えられます。
【まとめ】
タクシー・ハイヤー業界では長らく人手不足が続いており、コロナ禍の大打撃によって一時的に需要が激減したことで、さらに人員が流出してしまうという事態に見舞われました。コロナ禍の収束により急激に増加した需要は、業界にとって明るい兆しではあるものの、人員の確保に関する問題はさらに大きくなっています。人員確保が急務となる中、料金アップを進めたり、配車アプリの活用などのDX化を進めたりすることで、利益率を上げ、より働きやすい環境やより良い待遇を実現するための努力が続けられています。今後、待遇の改善が進むことが期待されます。
より自分のペースで働きたいと考えている方、第1種普通免許ですぐにでも仕事を開始したいという方には、自家用自動車運行管理業の送迎ドライバーの仕事もオススメ。代表的な例としては、医療・介護施設の送迎車、学校・園などの送迎車などのドライバーが挙げられます。自家用自動車運行管理業の送迎ドライバーは2種免許が不要ですし、副業としての勤務も可能です。
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